那由多の果て

伝埜 潤の遺産。小説になり損なったフラグメントと、日々の連れ連れ。

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明日には。

それだ!

間が開きました。その間、物知らずを解消すべく頑張ってました。

真砂ちゃんありがとう!それだ!月吠えにも彼登場するのに、何で結びつかなかったんだろう。
という訳で、中野シゲ先生について勉強しました。幸い、身近に図書館があるもので。中野重治詩集、評論集、教科書の詩をよみかえす、詩を学ぼうとする人へ、あたりを借りてきて黙々。久々に学問的な行為を貪っております。

月吠えのシゲは黒いマスクをしていて声がない設定で、理由が転向。何か既にヘヴィ。叙情的な詩を脱却する決意を書いたのが、件の「おまえは歌うな」、タイトルは歌。
どうも便覧じゃなくて、教科書に載っていたらしい。プロレタリア文学は政治思想文学という何だか矛盾含みの分野で、戦中はそれこそ目の敵にされて危険視されてたはず。そんなジャンルの詩が教科書に載っていたというのは、いい時代だな平成。できれば今後もそうあってほしい。

叙情詩人としての中野重治はそれこそ繊細な物憂げなうそうそとしたものを慈しむような作風で、個人的にはそっちも大好きなんだけれど、同じ口であんなに強い言葉を扱うのね。転向後もプロレタリア詩しか書けないといい、それこそプロレタリア最後の戦士みたいな感じになり、戦後の議員時代は論戦にめっぽう強かったみたいなので、月吠えの、眉のきりっと吊り上がった目力のあるキャラクターも頷ける。鉄骨のような気概が背骨を貫いているイメージ。しかししんどい生き方をする人だな。評論集を読んでいるとほんとにそんな感じ。

この人の偉いところとしんどいところは長生きしたところかな、と思った。小林タキジをえらかった、と月吠えの中で評する場面があるけど、この人も大概だと思う。だって死んだらそれまで。続きが書けない。実は党生活者の後編はちょっと読みたいなと思っております。あれどう見ても前編で終わってる。そういう意味では小林タキジは何を折っても死ぬべきじゃなかった。まぁ最初から殺すつもりをされてたんだから、彼の責では断じてないんだけど。あのときの日本はそのジャンル故に、一人の稀有な文学の天才をあっさり葬った。それを思うと、件の「おまえは歌うな」が、教科書に載っていたことがあるというのは素晴らしいことなんじゃないのかしら。

明日は虐殺器官の公開だよ!伊藤御大のまさかのデビュー作にしてSF界をひっくり返した作品の映像化だよ!本人に本当に見てほしい。そしてキネマトリクスに書いてほしい。酷評でもいいから。それで新しい作品を書いて、また映像化してほしい。本当は虐殺器官は実写にしてほしかった。今回の映画が上手くいったらチャンスあるかな。

何の話してたんだっけ。とりあえず、好きな字書きさんには長生きしてほしいなって話かな。
日々燦々 / comments(0) / trackbacks(0) / 伝埜 潤 /
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