前回言ってた誰得な設定資料。書かないけど、何これこの重量感。
犬のいる生活(仮)
人型使役犬
かつては幻想生物=想像の産物とされてきた狼人間を、人間に合わせて家畜化したもの。人型をとり、言葉を解するがあくまで「人型の犬」であり、人権はない。人間に危害を加えれば即、殺処分される。信頼のおける飼い主とバディを結び、それぞれの能力分野で活動する。昨今はバディの人間の中から、彼らへの人権保障を求める声が上がっている。
形態変化の際には体高・体重ごと変化する。また変化する犬種は様々であり、当該者のイメージに由来すると考えられる。人型のときは人間そのものであり、犬型のときは犬そのものである。例えば人型で玉葱を摂取しても問題ないが、犬型のときは命に関わる。いずれかの形態で負った傷は他方にも反映される。人型のときに軽微なダメージが、犬型のときには甚大なものになる可能性がある。
一目で人型使役犬だとわかるよう、ドッグタグの着用を義務付けられている。ドッグタグには識別番号・犬種・バディ名が刻まれている。基本的に人型使役犬は識別番号で呼ばれるが、バディによっては人名風の名前で呼ぶこともある。
犬齢が一定を超えるとブリーディング義務があり、年に数回呼び出しがある。実際の活動の関係上、雌の数が少なく雄が圧倒的に多いため、雌は全てが施設管理され、出産機械の扱いを受ける。交尾・出産は担当者の精神衛生上の理由で犬型の場合が大半だが、犬種や母体の状態によっては人型でも行われる。現在、日本国内には20ほどの雌が管理されている。
幼年機関
生後まもなくから七〜十歳前後までの間、人型使役犬を養育する機関施設。最大の目的は、犬種・性別の「嵌め込み」である。
人型使役犬は基本的に親の犬種を受け継ぐが、当該者のイメージに依るところも大きいため、確定ではない。そのため、訓練のしやすさや用途に合わせて犬種を人為的に「嵌め込み」、確定する必要がある。また人型のときの性別も別れているか、不確定に都度変化するか、或いは両性具有の状態であるため、やはり「嵌め込み」を行う必要がある。
また、人間に対して絶対且つ無条件の服従を刷り込む教化機関でもあり、教化が不可能と判断された場合は不適格犬とされ、殺処分される。
幼年機関を通過してのみ、それぞれの訓練機関に進むことができる。全国には北から「千歳」「多賀城」「会津若松」「北越」「桐生」「富士五湖」「能登」「彦根」「那智」「嵯峨野」「城崎」「土佐」「倉敷」「周防」「肥前」「桜島」の16箇所が設置されている。
大神雅人(おおかみ・まさと)
人型使役犬の人権保障を求める運動の中心人物。幼年機関で不適格とされた、或いは出生に問題のある人型使役犬を人間として扱い、世に送り出した。彼の息子たちは現場でも要注意としてマークされている。ウルフドッグとジャーマンシェパードの兄弟を連れ帰る際に、事故にあい故人となる。
大神雅人の息子たち
第一世代
堺雪俊(さかい・ゆきとし)
犬種 クーバーズ
識別番号K-01848
バディ 千野宗吾(ちの・そうご)
災害救助犬。日本政府から正式に医師免許を取った医者で、外科医。クーバーズらしく家族思いな次男。ただし自分の懐に入れた相手以外に対してはかなり辛辣でシビア。見知らぬ人間への警戒心は人一倍。相手に信頼を与えるまでが長く、その分だけ愛情深い。自分より幼い者への庇護欲が強い。紗弓の身体の傷を本人以上に気にしており、所詮自分たちは人間にとっては犬畜生でしかないと自嘲する。バディの宗吾は看護士で、雪俊とは研修生時代からの付き合い。研修医の閉腹縫合最速記録コンビとして外科ではちょっとばかり有名。黒髪、黒瞳の典型的醤油顔イケメン。身長175センチ、体重66キロ。体高75センチ、体重42キロ。体毛は真っ白。幼年機関は「会津若松」。
野村紗弓(のむら・さゆみ)
犬種 ドーベルマン
識別番号D-01830
バディ 古河清十郎(こが・せいじゅうろう)
爆発物探知犬にして軍用犬。断尾・断耳されており、人型のときはかなり痛々しい。耳は上半分が断ち切られ、尾てい骨から背中にかけて大きな裂傷がある。ドーベルマンは作出犬種であるため、当初は人型使役犬と気付かれず、ごく普通の仔犬として扱われ、断尾されたときのショックで形態変化してはじめて確認された。ドーベルマンらしく極めて温厚。かつ快活で誠実な長男だが、いざというときは果断で手段を選ばない。信頼を置いた相手にはとことん尽くすタイプで、女性だったら家庭的ないい嫁になりそうだと言われるが、実際はかなり逞しい巨人である。日に焼けた茶髪、小麦色の皮膚、栗色の瞳の精悍で鋭い顔だち。身長186センチ、体重78キロ。清十郎とのどつき漫才はかなりの迫力。体高72センチ、体重37キロ、体毛は黒とチョコレートのあれ。ブリーディング義務が厳しく、現在少なくとも十一児の父。幼年機関は中途で入った「桐生」。
宮市京詞(みやいち・たかし)
犬種 グレイハウンド
識別番号G-01869
警視庁捜査一課刑事。幼年機関を脱走し、逃げ切った三男。現在も手配中だが、犬種がグレイハウンドである以外未確定のまま逃げたので、人型使役犬であることを気づかれず人間として生活している。性別は未確定だが、基本的には男性になっている。いかなるときも激昂せず、動揺せず外面を取り繕える冷静さを持つ。気が強く不敵だが、半分以上ははったり。それを気づかせない鉄面皮を装備する。人型使役犬は基本的に身体能力が高く、当然視力も抜群で眼鏡が必要ない。そのためカモフラージュにスクエアフォルムの伊達眼鏡をかけ、いつも目を細めて笑んでいる。柔和な女顔で、相手に警戒心を抱かせない。身長177センチ、体重68キロ。体高77センチ、体重32キロ、体毛は漆黒。犬の中で最速の脚力を持ち、黒妖犬とあだ名される。幼年機関「嵯峨野」から逃亡。
第二世代
鈴村義(すずむら・ただし)
犬種 アラスカンマラミュート
識別番号M-01921
バディ 山野希早(やまの・きさき)
山岳救助犬。犬ぞり向きな犬種でもあり、人型でもがっしりした体格を誇る。雪山にめっぽう強く、海外の山岳でレスキューの一員として活躍中のため、なかなか帰ってこない。物静かで言葉少なく、素朴で不器用な四男。実は甘えただが、面に出せない照れ屋。家事全般は得意で、中でも大量にまとめて豪快に作られる男の手料理は、職場でも家族にも好評。目で語り、包容力があるがやや過保護。恐らく兄弟の中で最も打ち解けやすい。硬めの黒髪、薄茶の瞳、眉のしっかりした男前。身長180センチ、体重80キロ。体高70センチ、体重53キロ、体毛はアイボリーに灰が混じる。幼年機関は「千歳」。
七原歩(ななはら・あゆむ)
犬種 一応ゴールデンレトリバー
識別番号R-01972
バディ 村瀬尚弥(むらせ・なおや)
麻薬探知犬。端正な容姿に釣り合わない人懐こさを発揮する甘えたな六男。現場に出される予定はなかったが、櫻が転がり込んできたために急遽、尚弥に預けられる。元々保健所に保護された捨て犬で、盲導犬になる予定だった。パピーウォーカーが手放す折りに捨てられると勘違いして恐慌を起こし、突然人型に変化し発覚した。その時点では形態変化も理解できず人語も朧気にしか解せなかった。捨てられた理由は不明だが、潜在的に傷になっている。天真爛漫で、底抜けに明るい性格だが、トラウマが陰を落とす=捨てられないために必死になる。蒸栗色の髪、白い皮膚に琥珀色の瞳の美青年。身長184センチ、体重70キロ。体高60センチ、体重31キロ、体毛は髪と同じ。幼年機関を通過しておらず、犬種も人型を取るときの性別も確定していない。人型のときは自覚なく両性具有状態であることが多い。
黒塚勇(くろつか・いさみ)
犬種 ボーダーコリー
識別番号K-01968
バディ 早乙女凛一(さおとめ・りんいち)
地雷探知犬にして遺留品回収犬。ボーダーコリーらしく知的で冷静な五男。行動力は抜群、常識的で良心的であり、確実に任務をこなす堅実さを持つ。観察眼に優れ洞察・分析に長けたせいか、何事に対しても傍観者の立場を崩せない。執着が薄く淡白でしかいられないマイナス面を持つが、本人は無自覚。それはバディについても同じで、ビジネスライクな考え方しかできない。雪俊にまして人間不信。いつもにこやかに笑んでいるが、内心は冷めている。反面、ツッ込まずにはいられない貧乏クジでもあり、苦労性。バディの凛一がボケのため、忙しない。元々は黒髪だが赤っぽい茶髪に染めている。栗色の瞳。猫目のつり目でコケティシュな顔だち。身長168センチ、体重62キロ。体高46センチ、体重22キロ、体毛はモノクロ。幼年機関は「彦根」。
第三世代
並木櫻(なみき・さくら)
犬種 ウルフドッグ
識別番号S-02013
バディ 塩見慶(しおみ・けい)
幼年機関ではなく研究機関で「嵌め込み」が行われた、はじめてのウルフドッグ。当初は特殊部隊装備用の強硬制圧犬となる予定だったが、ウルフドッグ特有の気難しさと繊細さゆえに頑なで、誰にも心を開かず訓練にも参加できず、警戒して他者が近づくことすら許さなかった。そのため、身体能力は紗弓と並んで人型使役犬の最高峰と謳われながら、殺処分が決定し、それを雅人が無理矢理に引き取ってきた。現時点での末っ子。精神的に安定せず、雪俊や勇にまして人間不信であり、その態度を隠しもしない。つまり究極にツンな状態。同腹の兄を失ってからはより頑なになった。不本意ながら雅人だけは信用していたのに、不慮の事故で雅人が帰らぬ人となったため、京詞の手回しによって慶のバディとなる。尖った顎と伏せられたつり目、肉付きの薄っぺらい身体のせいで殊更剣呑に見える。黒髪、黒瞳に蒼白い肌で、一見して不健康。身長183センチ、体重66キロ。体高76センチ、体重38キロ。体毛は明るい灰色。研究機関「赤城」出身。
並木吹樹(なみき・ふぶき)
犬 ジャーマンシェパード
識別番号G-02012
櫻の同腹の兄。殺処分された。
バディたち
古河清十郎
自衛隊青年海外協力隊地雷撤去担当(危険区域専門)一応、隊長格。紗弓のバディ。飄々と掴み所のない人物。雅人の古い友人であり、信用されている。仕事に対してはシビアで、隊長としての決断も早い。それ以外に関してはかなり融通が利く、臨機応変を絵に書いたような性格。悪く言えばアバウトでいい加減。紗弓とは夫婦漫才を繰り広げる関係。人型使役犬の最高傑作を謳われる紗弓は頻繁にブリーディングに出るが、それをよく思っていないため度々任務を割り込ませ、阻止している。身長185センチ、体重82キロ。紗弓より11歳年長。最近白髪が見つかって落ち込んだ。
村瀬尚弥
厚労省麻薬取締局関東支部捜査課課長。歩のバディ。真面目で堅物に見える元・麻取りのエース。課長に昇進してから現場での活躍よりデスクワークが増え、エースを譲った。しかし人材不足が祟って今なお検挙率全国トップ。好青年に見えるが、実際は正面切って搦め手で来るタイプの性悪で、非常にイイ性格。上下関係には比較的フランクだが、やっぱり体育会系。身長178センチ、体重73キロ。歩より6歳年長。京詞とは悪友。
ここで力尽きた。